『完訳 七つの習慣』人格主義の回復 スティーブン・R・コヴィー(著)【ブックレビュー】

書評

こんにちは!Kえすです(^^)

書評第二弾ということで、やって行きたいと思います!

今回は何十年も読まれ続けている名作中の名作『七つの習慣』です。

この本は、自己啓発の金字塔と言われたり、人間性を高め人生を豊かに生きるのにこれさえあれば他の本は必要ないんじゃないかとまで言われるほど。

人生のバイブルに成りうるような本になっています。

ものすごく良い本なのですが国語辞典並みに分厚いので(笑)、読書に慣れていない方も最後まで読破できるようにガイドライン的にまとめてみました

読み進める上でのサポートになれればと思います。

『完訳 七つの習慣』人格主義の回復

スティーブン・R・コヴィー 著

ズバリどんな内容なのか

『心と体をとにかく地道に鍛え、人格を磨くことで他者と協力して良いものや良い関係を作り出せるようになる。さらに螺旋階段を登るように成長を続けることでどんどん豊かな人生なっていく。そんな人生を指南してくれる内容』

ざっくり言うとこんな感じです。

本書には、小手先のテクニックのようなものは一切書かれていません。

誰でもわかる超超超基本的で当たり前なことです。

でも!! みんな出来ていないことばかり!!!

知っていても面倒臭がって「やらない」ようなことばかりです。

自分も含め、大抵の人間は目先のことを最優先し、全体を見渡して最終地点を見据えて行動することはしない。

そんな頭の中を書き換えて、長期的な視野と努力する心を与えてくれる本だと思います。

キーワードは『農場の法則』・・・自分で種を蒔き、育てたものしか収穫出来ない

人生の中の可能な限り早い時期に、一度読んでおくと絶対に為になる本だと思いますので、是非読んでみてください。オススメです。

こんな人にオススメ

・自分の生き方に自信がありません…このままでいいのでしょうか?

・仕事はうまくいっているけど、人間関係が…

・何を大切にして生きていくのが正解なんだろう??

・友人、恋人、夫、妻、子供、職場の部下、同僚が自分の言うことを聞いてくれない…

・上司に対して不満が…もう我慢が出来ない!

・取引先との交渉…なんだかいつも良い内容で成立出来ていないような気が…

・真のリーダーシップって何? 人格者とは?                            マネジメントって具体的に何をすれば..?

・とにかく先行きが不安で、今何をすればいいかわからない…

etc…

本の概要

・発売年月日 2013年8月30日(原著の初版は1989年。本書は新しく訳し直                    し、改装したもの)

・ページ数 473ページ(本編) 著者コヴィー先生への質問〜付録、索引、                      訳者あとがきまで含めると517ページ

・文字のつまり具合と読みやすさ  文字は小さすぎず大きすぎずだが、1ページ1ページしっかり書かれていてボリューム満点なので、読むのに骨が折れる。でも、要所要所でケーススタディーとして実話がショートストーリーのように差し込まれていたり、琴線に触れるような一文が散りばめられているので、終始感動して飽きない。(※個人的な感想です)

・著者 スティーブン・R・コヴィー

1952年、ユタ大学卒業。1957年ハーバード・ビジネス・スクールでMBA取得。 1976年、ブリガムヤング大学にて博士号取得。 ブリガムヤング大学で、学長補佐、および経営管理と組織行動学の教授を務める。 フランクリン・コヴィー社(本社アメリカ)の共同創設者であり副会長。 “The 7 Habits of Highly Effective People”日本語訳は『完訳 7つの習慣 -人格主義の回復』の著者として世界的に有名。
 英国『エコノミスト』誌によれば、コヴィーは今、世界で最も大きな影響力を持つ経営コンサルタントとされている。妻サンドラ・メリル・コヴィとユタ州プロボに在住。9人の子供と36人の孫を持つ。熱心な末日聖徒イエス・キリスト教会/モルモン教の信徒であり、信者向けの信仰書も執筆している。
 著書『完訳 7つの習慣 -人格主義の回復』は3000万部以上の売上げを記録し、日本でも200万部以上が販売されている。さらに38の言語にも翻訳され世界的なベストセラーとなる。また2002年、『フォーブス』誌の「もっとも影響を与えたマネジメント部門の書籍」のトップ10にランクインし、『チーフ・エグゼクティブ・マガジン』誌では「20世紀にもっとも影響を与えた2大ビジネス書」のひとつに選ばれる。[要出典]
 2012年7月16日、自転車事故の負傷がもとでアイダホ州アイダホフォールズの病院で死去[1]。79歳没

wikipediaより引用

第一部 パラダイムと原則

「インサイド・アウトのパラダイム(考え方)」と「7つの習慣とは何か?」について説明してくれています。

インサイド・アウト・・・生きる上で大事な考え方が「インサイド・アウト」。この考え方が身についてないと、身の周りで起こる出来事や環境に一生振り回されながら生きることになるので、とても重要な考え方です。

たとえばあなたが幸福な結婚生活を望むなら、まずはあなた自身が、ポジティブなエネルギーを生み出し、ネガティブなエネルギーを消し去るパートナーになる。10代のわが子にもっと快活で協調性のある人間になってほしいと望むなら、まずはあなた自身が子供を理解し、子供の視点に立って考え、一貫した行動をとり、愛情あふれる親になる。仕事でもっと自由な裁量がほしければ、もっと責任感が強く協力的で、会社に貢献できる社員になる。信頼されたければ信頼されるにたる人間になる

『七つの習慣』 p43 第一部 パラダイムと原則 〜インサイド・アウト〜 より

第二部 私的成功

ここでは第一から第三の習慣までについて述べられています。

「私的」成功と題されている通り、第1〜3までの習慣は読者自身に関すること。

  1. 第一の習慣 主体的である
  2. 第二の習慣 終わりを思い描くことから始める
  3. 第三の習慣 最優先事項を優先する

1.主体的である・・・自分の人生が良いものになるかどうかは、自分次第で周りの環境や誰かのせいによるものだと思ってはいけない。自分の人生に責任を持って、行動していきましょう。人のせいにしない。

2.終わりを思い描くことから始める・・・自分の人生の最後、死ぬ時にどのような人物になっていたいのか?どのような貢献や功績を残したいのか?

3.最優先事項を優先する・・・思い描いた終わりを実現するために、今はどのような事を優先すべきなのか?長期的に継続しておくと後々良い結果を生むだろうと思う事は?

もし行動が感情に支配されているとしたら、それは自分の責任を放棄し、行動を支配する力を感情に与えてしまったからなのだ

主体的な人にとって、愛は動詞である。愛は具体的な行動である。犠牲をはらうことである。

あなたが親であるなら、子供のためならどんな犠牲も辞さないはずだ。あいとは、愛するという行為によって実現される価値である。主体的な人は、気分を価値観に従わせる。愛、その気持ちは取り戻せるのである

『七つの習慣』 p95 第二部 私的成功 〜第1の習慣|主体的である〜 より

すべてのものは、まず頭の中で創造され、次に実際にかたちあるものとして創造される。

成功の梯子を効率的にうまく登れるようにするのがマネジメントであり、梯子が正しい壁にかかっているかどうかを判断するのがリーダーシップである。     

私たちに必要なのは、はっきりとしたビジョン、明確な目的地である。そしてその目的地に到達するためには、ロードマップよりもコンパス(方向を示す原則)が要る。地形が実際にどうなっているのか、あるいは通れるのかは、その場その場で判断し問題を解決するしかない。しかし、自分の内面にあるコンパスを見れば、どん時でも正しい方向を示してくれるのである。

『七つの習慣』 p120, p123,p124 第二部 私的成功 〜第2の習慣|終わりを思い描く事から始める〜 より

誠実さとは、基本的には自分自身にどれだけ価値を置いているかという事だ。自分に約束し、それを守る能力、「言行一致」のことである。自分を大切にし、自分を裏切らない事である。誠実さは人格主義の根本をなし、主体的な人間として成長するために欠かせないものである。

グレーは次のように書いている。「成功者たちの共通点は、成功していない人たちの嫌がることを実行に移す習慣を身につけているということである。彼らにしてみても、必ずしも好きでそれを行っているわけではないが、自らの嫌だという感情をその目的意識の強さに服従させているのだ」

優先する必要のない物事に「ノー」とはっきり言えるためには、あなたの中に燃えるような「イエス」がなければならない

大切なことは、スケジュールに優先順位をつけることではなく、優先すべきことをスケジュールにすることなのである。

『七つの習慣』 p195, p196, p217 第二部 私的成功 〜第3の習慣|最優先事項を優先する〜 より

第三部 公的成功

自分自身を高めた次は、「公的」成功についてです。

他者と協力することで、何倍も良い結果が出せる。その仕組みを詳しく説明してくれています。

前置きで、最初に『相互依存のパラダイム』と題して「信頼」という人間関係のベースについて述べてから、第四から第六の習慣へと入っていきます。

  1. 第四の習慣 Win-Winを考える
  2. 第五の習慣 まず理解に徹し、そして理解される
  3. 第六の習慣 シナジーを創り出す

4.Win-Winを考える・・・人と何か決める時、どちらかが損をしたりすることなく、お互いが嬉しい結果になるような方法を探す。常にそういう考え方でなければならない。相手の成功を心から喜べるような人でなくてはならない。

5.まず理解に徹し、そして理解される・・・Win-Winの結果を得るためには、お互いどうしたいのかを理解する必要があります。その時に、まず自分が相手の話を聴き、相手の考えをしっかり理解してあげることが最重要。自分の要望をしっかりはっきり述べることも絶対に必要ですが、それは相手を理解し、理解してくれてると相手が感じて心を開いてくれて初めて自分ことを相手に理解してもらえる。

6.シナジーを創り出す・・・シナジーとは1+1が8にも16にも、あるいは1600にもなる現象のこと。今までの第一から第五までの習慣は、この第六の習慣「シナジーを創り出す」ためのものです。

Win-Winとは、決してテクニックではない。人間関係の総合的な哲学である。人間関係の六つのパラダイムの一つである。そしてWin-Winの他に、「Win-Lose」「Lose-Win」「Lose-Lose」「Win」「Win-Win or No Deal」のパラダイムがある。

<中略>

ここまで紹介した五つのパラダイム — Win-Win、Win-Lose、Lose-Win、Lose-Lose、Win — のうち、一番効果的なパラダイムはどれだろうか。答えは〜

 

成熟とは、勇気と思いやりのバランスがとれていることである。

『七つの習慣』 p297, p308 第三部 公的成功 〜第4の習慣|Win-Winを考える〜 より

ところが、私たちのコミュニケーションはどうだろう。診断せずに処方箋を出すようなまねをどれだけしているだろうか。

相手に自分をわかってもらえるかどうかは、あなたの日頃の行い次第である。

ほとんどの人は、相手の話を聴く時も、理解しようとして聴いているわけではない。次に自分が何を話そうか考えながら聴いている。話しているか、話す準備をしているかのどちらかなのである。

共感の本質は、誰かに同情することではない。感情的にも知的にも、相手を深く理解することなのである。

人間にとって肉体の生存の次に大きな欲求は、心理的な生存である。理解され、認められ、必要とされ、感謝されることである。

子どもは傷つきやすい柔らかな内面を見せるたびに、親から一方的に自叙伝を聞かせられ、「だから言っただろう」などと頭ごなしの言葉で踏みにじられてきたのだ。親には絶対に心を開くまいと思うもの無理はない

第5の習慣は、今すぐにでも実行に移すことができる。今度誰かと話をするとき、自分の自叙伝を持ち出すのはやめて、その人を本気で理解する努力をしてみる。その人が心を開いて悩みを打ち明けなくとも、その人の身になり、共感することはできる。その人の気持ちを察し、心の痛みを感じとって、「今日は元気がないね」と言ってあげる。その人は何も言わないかもしれない。それでもいい。あなたのほうから、その人を理解しようとし、その人を思いやる気持ちを表したのだから。

『七つの習慣』 p339, p341, p343, p345, p347, p354, p376 第三部 公的成功 〜第5の習慣|まず理解に徹し、そして理解される〜 より

保身だけを考えて政治的に立ち回る脚本ではなく、心を開いて人を信じ、分かち合う生き方の脚本である。所有欲に縛られ、なんでも自分勝手に決めつけて生きる脚本ではなく、人を愛し、人のためを思って生きる脚本なのではないだろうか。

シナジーに到達できず、かといってNo Deal(取引しない)を選択することもできない、そんな状況になることもあるだろう。しかしそのような状況であっても、真剣にシナジーを目指していれば、妥協するにしても、より高い妥協点が見つかるものである。

自分とは違うものの見方、考え方を知ることこそ人間関係がもたらす利点であるのに、その事実に気づかないのだ。同一と一致は違うのである。本当の意味での一致というのは、補い合って一つにまとまることであって、同一になることではない。同一になることはクリエイティブではないし、つまらないものである。自分と他者の違いに価値を置くことがシナジーの本質なのである。

本当の意味で効果的な人生を生きられる人は、自分のものの見方には限界があることを認められる謙虚さを持ち、心と知性の交流によって得られる豊かな資源を大切にする。そういう人が個々人の違いを尊重できるのは、自分とは違うものを持つ他者と接することで、自分の知識が深まり、現実をもっと正確に理解できるようになるとわかっているからなのである。

二人の人間の意見が全く同じなら、一人は不要である。

『七つの習慣』 p384, p397, p403, p408, p409 第三部 公的成功 〜第6の習慣|シナジーを創り出す〜 より

第四部 再新再生

森の中で、必死で気を切り倒そうとしている人に出会ったとしよう。

「何をしているんです?」とあなたは聞く。

すると男は投げやりに答える。「見ればわかるだろう。この木を切っているんだ」

「疲れているみたいですね。いつからやっているんですか?」あなたは大声で尋ねる。

「もう五時間だ。くたくただよ。大変な仕事だ」

「それなら、少し休んで、のこぎりの刃を研いだらどうです?そうすれば、もっとはかどりますよ」とあなたは助言する。すると男ははき出すように言う。

切るのに忙しくて、刃を研ぐ時間なんかあるもんか!

『七つの習慣』 p424 第四部 〜第7の習慣|刃を研ぐ〜 より

最後の習慣は、自分のメンテナンス。

  1. 第七の習慣 刃を研ぐ

7.刃を研ぐ・・・本書でも、最初に「真の成功は、持続性と成長である。」と述べられているように、毎日1時間でいいので ①肉体面、②精神面、③知性面、④社会・情緒面 を磨く努力をするということです。これに1時間とることで、残りの23時間を良いコンディションで過ごせるというもの。

そして、最後は『再び、インサイド・アウト』と題して、この本のエッセンスにもなった著者コヴィーさんの体験談と読者に対するメッセージを述べて、幕を閉じられています。

心の平和は、自分の生き方が正しい原則と価値観に一致していて初めて得られるものであり、それ以外はないのである。

ゲーテは次のような言葉を残している。「現在の姿を見て接すれば、人は現在のままだろう。人のあるべき姿を見て接すれば、あるべき姿に成長していくだろう

経済的自立とは富を持つことではなく、富を生み出す能力を持つことであり、その能力は自分自身の内面で育てるべきものなのだ。

『七つの習慣』 p442, p447, p451 第四部 〜第7の習慣|刃を研ぐ〜 より

お互いに愛情を持ち続ける鍵は、話をすることだ。それも感情について話すことが大切だと私たちは思っている。(※ここでいう「私たち」はコヴィーさんと奥様のこと)

「子供たちに後々まで遺してやれるものは二つしかない。一つは”ルーツ”であり、もう一つは”翼”である」

『七つの習慣』 p465, p468 第四部 〜再び、インサイド・アウト〜 より

まとめ

本書に何度も登場する「正しい原則」という言葉。これを真剣に考えると生き方が見えてくるような気がします。

原則とは何かというと、例えば「食べ過ぎたら→太る」「攻撃すれば→攻撃しかえされる」など「そうしたら、高確率でこうなる」と言うもので、つまりは自然の法則のことです。この原則に沿って自分の行動を決めていけば間違うことも少ないのだろうと思いますし、本書でもそう語られています。

まず種を蒔かなければ芽が出ることはないし、種を蒔いて芽が出ても、水をあげたり雑草を抜かなければ美しい花が咲くことはない。

地道な努力ほど尊いものは無いなと思います。

七つの習慣はどれも生きていく上で重要で、出来そうでなかなか実行できないことでもあると思います。

ですが、自分の人生の責任は自分で取らなくてはならない。

自分を救えるのは自分だけなので、これからも地道に頑張っていこうと思いました。

小さいことを積み重ねるのが、とんでもないところへ行くただひとつの道                                  イチロー


 


 

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