全世界で2800万部(2019年時点)、日本国内でも400万部も売れた大ベストセラーの
『チーズはどこへ消えた?』 スペンサー・ジョンソン(著) 出版社:扶桑社
本編77ページでサクッと読めて、変化に強い人間の考え方が得られる本です。
MLBロサンゼルス・エンジェルスの大谷翔平選手が愛読書としてテレビ番組内で紹介しており、
IBM、アップル・コンピュータ、GM、メルセデス・ベンツなど他にも世界的に有名な多くの企業や団体で研修用テキストに採用されている本でもあります。
簡単にどんな内容なのか知りたい方の為に説明していきます。
【簡単なあらすじ】『チーズはどこへ消えた?』
ある集まり、シカゴで
シカゴで高校時代のクラスメートだった数人が昼食に集まっているところから始まります。
そこで、「状況の変化」ということが話題に上がり、マイケルという人物が「状況に対して自分が変わるのが怖くてチャンスを取り逃したことがあったが、とある物語を聞いて全てが変わった。変化とは、何かを失うことだと思っていたが、何かを得ることだとわかった。」と言います。
すると他のクラスメートから、そのとある物語とやらを聞かせてくれないかという声が上がり、この本のメイン部分の物語が始まります。
物語 チーズはどこへ消えた?
登場人物は、ネズミ2匹と小人2人
ネズミ: スニッフ と スカリー
小人 : ヘム と ホー
2匹と2人は、自分たちの「食料」と「幸せ」を得る為に、いつも迷路に入っていき、チーズを探していた。
「ネズミと小人・チーズ・迷路」はそれぞれ私たちの世界における例えになっています。
ネズミと小人:私たちの単純さと複雑さ
チーズ:私たちが人生で求めるもの(仕事、愛、家族、財産、健康、安定など)
迷路:チーズを追い求める場所(会社、地域社会、家庭など)
ネズミは本能的に探し回り、小人は頭を使って少し複雑なやり方を考えながらチーズを探し回っていた。
ついに、迷路の中で2匹と2人は莫大な量のチーズを見つけ、そこに通い詰め安楽を得ていたのだが、
ある日そのチーズが失くなってしまっていた!
ネズミ2匹は以前からそのチーズをただ食べるだけではなく、「何か変わったところはないか」と観察を怠らなかったので、その場所のチーズを全て食べつくしてしまったのだとすぐ理解し、新しいチーズを見つけるべく「すぐにその場を離れ、探しに出かけた(即行動した)」。
そして、少々危険ではあったが迷路の奥まで入っていき、また莫大な新しいチーズの在り処にたどり着いた。
一方、小人2人は毎日ただそのチーズを食べるだけで、まるっきり安心しきっていたので、一体何が起こったのかわからず混乱し不安になり、怒りだした。
「なんでこんな事になるんだ!」「どうしてこんな目にあわなくちゃいけない!?」「誰かがチーズを隠したに違いない!」「この裏にどんな真実が…」こんな事ばかり言ったり思ったりしていた。
そうして何日もチーズが戻ってくるのを待っていた2人だったが、ホーがやっと「状況が変化しただけなのだ」という事を悟って、ヘムに「動き出そう」とうながし始めた。
しかし、ヘムは「自分たちは悪くない」「状況が変化した?そんなはずはない。チーズはいずれ戻ってくる」「それにまた迷路の中を探し回るのは危険だ。」「ここなら居心地は良いし、よく知っている場所だから安全で安心だ。」と主張し、応じなかった。
そして、ホーは一人で新しいチーズを探しに行くと決めて動き出す。ヘムもいずれ考えを変えて追ってきてくれると信じて。
新しいチーズ探しの道中ホーは、くじけそうになることもあるが、客観的に見て愚かだった自分たちの行動を反省しあざ笑って、前向きな気持ちで前進し、たくさんの教訓を得て、ついにネズミたちのところまでたどり着き、大量の新しいチーズにありついたのでした。
おしまい。
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本の中では、物語の後にシカゴのシーンに戻り、元クラスメートたちのディスカッションが17ページほど使って描かれ終わりになります。
著者について
スペンサー・ジョンソン(1939〜2017年)
医学博士で心理学者です。
心臓のペースメーカー開発にもたずさわっていたそうで、大学の研究機関の顧問であり、ハーバード・ビジネス・スクールの名誉会員でもあったそうです。
主な著書
『1分間マネジャー』
(※現在は『新・1分間マネジャー』に改正されています)
『1分間意思決定』
『人生の贈り物』
など他にも多数。
まとめ
・慢心し、安心しきる
・小さな変化に気づこうとしない、気づいても目をつむり、どうもしない
・誰も注意してくれなかった。ひどい目にあわされた。などと人のせいにする
・同じ場所にいたがり、リスクを取らない
・このままどうなってしまうのだろう?ここで動けばしくじるのでは?などと悪いことばかりイメージする
・ありもしないようなことまで複雑に考え、事態をややこしく捉える
・状況の方がそのうち良くなって、自分のところにやってくるという考えを持つ
・いつまでたっても考えを変えず、動かない
・状況は変わるものだと認識しておく
・小さな変化に注意し、慢心しない
・変わらなければ破滅することになる、という真実を受け止める
・もしその恐怖がなかったらどうするかと考え、実行する
・遅れをとっても動いたほうがいいと考える
・失ったものではなく、これから手に入れるものについて考える
・リスクをとる
・恐れている事態は、実際想像するほど悪いものではないと知る
・状況が変わったら、自分を変える
・物事を簡潔に捉え、すぐ動きだす
この本は、「訳者あとがき」を含めても94ページしかなく、時間がなくても読書が苦手でも読めてしまう本です。
ですが、短い為に本というより冊子という印象で、少し読み応えに欠けるなと感じてしまいます。
読書が好きでがっつりした本が大好きな方には向かないかもしれませんが、
短い中にも凝縮されたものが詰まっているのは事実で、アメリカの数々の大企業で研修テキストとして使われているのも納得です。
少しの時間で読めてしまって、あなたの人生にもきっと何か為になる内容が書かれているのではないかと思うので、みなさんも是非読んでみて下さい(^^)
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